Art workInstallationInteractiveKinetic
太陽と月の部屋
2020 ~
00:07:36
大分県豊後高田市に設立された「不均質な自然と人の美術館」にある、自然と触れ合い身体性を拡張することをテーマにつくられたインタラクティブアートのひとつ。
本作は訪れる人が太陽の光と戯れることができる部屋をコンセプトにしている。来場者が部屋の中を歩くと天井の小窓が自動で開閉し体が光に包まれるとともに、足元の日だまりが小窓の開閉によって月が満ち欠けするように形を変えていく。鑑賞者の立ち位置はセンサーで検知され、太陽の方角にある小窓だけが開口。また、室内は気象庁の天候情報を解析し、その時々で最適な演出になるよう調整され、晴れの日には部屋の中に靄がかかり、足元に降り注ぐ光芒を見ることができる。加えて、小窓が開くタイミングでピアノの音が鳴り、部屋の中を歩くことでピアノ曲が演奏される。
本作においてそのテクノロジーは直接提示されず、あくまで太陽の光を切り取って鑑賞者の肌の上に直接届け、自然を感じさせるために用いられる。人工的な光ではなく自然光を鑑賞者に届けることで、視覚のみならず光が持つ温もりをも感じさせ、体験する者の感覚と意識を研ぎ澄ませるように設計された。