古澤龍

Ryu Furusawa

古澤龍

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Profile
1984年東京生まれ、東京、千葉をベースとして活動する。アーティスト、サーファー。イメージ定着プロセスそのものを操作対象とし、デジタルおよびフィジカルな介入を施すことで、見る人の知覚基準を変容させる特異な状況の生成を試みている。そこに立ち現れる風景は見る人の知覚を映し出す鏡となる。
主な展覧会に個展Mid Tide (ArtSpaceKimura、東京、2024年)、「ICC Annual 2024 : Faraway, so close」(NTT InterCommunication Center [ICC]、東京、2024年)。
2023年度文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業にて助成採択され制作されたMidTide#3は、Prix Ars Electronica 2024, Honorary Mentionを受賞。
2015年よりアーティストコレクティブ「ヨフ」としても活動する。
Biography
Exhibition

2025 “Rear Window & Real Wonder”, HOW Art Museum(上海)

2024 “SIGGRAPH Asia 2024”, 東京国際フォーラム(東京)

2024 “ICC アニュアル 2024 とても近い遠さ”, NTTインターコミュニケーション・センター [ICC](東京)

2024 “Prix Ars Electronica Exhibition 2024”, レントス美術館(リンツ、オーストリア)

2024 “やまなしメディア芸術アワード2023-24 入選作品展”, 富士氷室(山梨)

2024 “Mid Tide”, アートスペース キムラASK?(東京)

2023 “新しい空洞 PARALLAX VOID theca2023ss”, コ本や(東京)

2023 大原崇嘉・古澤龍 “Maneuver”, アートスペース キムラASK?P(東京)

2022 東京芸術大学 芸術情報センターオープンラボ2022「擬風景展」, 東京芸術大学附属美術館・陳列館(東京)

2021 “斜めにのばして隙間からみる”, ソフトピア・ジャパンセンタービル IAMAS Showcase(岐阜)

2019 芸術情報センターオープンラボ「装置とは限らない」, 東京芸術大学附属美術館・陳列館(東京)

2015 “DenchuLab.”, 旧平櫛田中邸(東京)

2015 “網膜思考 | Retinal Thinking”, アートスペース キムラASK?/ASK?P(東京)
Grant

2023 文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業

2023 野村財団 芸術文化助成

2023 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京 スタートアップ助成
Award

2024 Prix Ars Electronica 2024, New Animation Art, Honorary Mention

2023 山梨メディア芸術賞 2023-24

2022 文化庁メディア芸術祭 アート部門 審査員推薦作品

2019 ワンウォール写真賞 田中義久奨励賞

2012 東京藝術大学 大学美術館収蔵賞

Work

Mid Tide #3
Experimental filmInstallationVideo installation

Mid Tide #3

2024
00:07:00
3 channel video, silent 48:49 seamless loop 2024年1月に開催された個展にて、古澤が2023年より取り組むMidTideシリーズの新作として発表されたものです。 この作品は千葉県南房総の海岸にて、波と岩をファインダーに捉え、およそ3時間半の光と潮の変化を記録し、その映像データを素材として、映像の時間次元を組み替えるようなデータ操作を施すことで制作した映像インスタレーションです。 映像を連続する静止画として順番に連ねると、時間方向を奥行き次元とする立体空間として表現できます。映像再生はこの立体の一断面を前から後ろへ連続的に動かすプロセスですが、本作ではこの単線的な軌道から意図的に逸脱させ、自由に旋回させています。ここで扱う時間は我々が普段体験する時間とは異なります。ここで扱う時間は通常の体験とは異なり、被写体である波だけが形と動きを保ち、時間の流れを指し示します。潮汐の変化がいつのまにか風景を一変させるように、本作は見る人の時間と空間の知覚を静かに侵食していきます。 本作は映像メディアの伝統的な時間表現をデジタル手法で再解釈し、映像の視覚体験の新たな可能性を探求するものです。
柴田聡子「雑感」
Music videoMV

柴田聡子「雑感」

2022
00:05:02
アーティストコレクティブのヨフが作品制作において重視してきた「虚実を横断させる視覚経験」を、映像制作工程(映像撮影→ポストプロダクション)へ適応させる方法論を探りながら、アイディアを練っていきました。実際には、ワンカットロングショットによる撮影と、ポスプロでの時間軸の操作により制作しています。 ワンカットの撮影ではサビの間、紙吹雪が舞い落ちる中、柴田聡子さんだけピタッと静止し続けることが、このMVのアイディア実現の条件へつながっています。ポスプロにて部分ごとに細かな時間軸の操作を施すことで、静止する柴田さんに変化はなくとも、周囲でパラパラと落下していた紙吹雪だけが、逆行したり、画面の中心に吸い込まれるような動きや、極度に圧縮されノイズのように変質するなど、様々な振る舞いが作り出されます。このような静と動の対比によるリアリティの歪みを演出のベースとしました。 さらに中盤では、柴田さんの画角を固定したままカメラを動かすことで、背景までもグニャりと歪ませ、キラキラと舞い落ちる紙片が曲の展開と相まり、どこか銀河の果てのような非現実的な世界観を醸し出す印象的なシーンとなっています。