3DCGAnimationCGMusic video
ほしのたね
2025
00:02:17
「ほしのたね」
ある日、娘が何気なく口にしたこの言葉が、私の中にそっと種を蒔きました。
その響きのやさしさと、どこか詩のような余韻に導かれ、私は静かな森に舞い降りる星や、小さな生き物たちの暮らす風景を思い描くようになりました。
物語は、夜空から星がふわりと森に降り注ぐところから始まります。星たちは地上でちいさな種となり、やがて芽吹いて、「星の花」を咲かせていきます。森に住む生き物たちは、そっと寄り添いながら音楽を奏で、その花々を見守ります。夜の森に広がる光や音、ゆっくりと流れる空気──そんな静かであたたかな世界を描きました。
映像制作には、長年使い続けているBlenderを使用しています。森や星、花や小さな生き物など、私の好きな自然の要素を素朴なタッチで表現し、光や影、質感にこだわることで、現実と空想のあいだを漂うような風景に仕上げました。音楽と映像は、ぴったりと揃えるのではなく、おたがいに寄り添いながら静かに響き合うような関係を目指しました。
音楽は、以前から共に作品を作ってきた音楽家・cokiyuさんにお願いしました。
本作では、夜の森にふさわしい、繊細なピアノの旋律に加え、透明感のある歌声が優しく重なります。
歌詞にはこの物語のテーマが込められており、その言葉ひとつひとつが、まるで語りかけるように静かに響きます。声の存在が、映像の奥行きをそっと深め、光や時間、そして「ほしのたね」が持つ世界観を、より豊かに伝えてくれています。
「ほしのたね」が観る人の心にもそっと芽生え、そこから自由な想像や感覚がやさしく広がっていく──
そんな体験を届けられたら、うれしく思います。