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Aisho Nakajima – Gangbang feat. Yohji Igarashi (Official Music Video)
2024
00:02:23
この映像は、「欲望」という言葉が持つ曖昧さと美しさを、映像という身体で語る試みである。
Aisho Nakajimaの『GANGBANG』は、単なる挑発ではなく、人間の本能と親密さが交差する瞬間の賛歌であり、私はそれを“視覚のオーケストラ”として描こうとした。
舞台は、影と光が交錯する閉ざされた官能的な部屋。そこには性別やアイデンティティの境界が溶け合い、キスや抱擁がひとつの流動的な言語として立ち現れる。360度回転するカメラがゆっくりと空間を巡る中、観客はその世界に「覗く」のではなく、「共にいる」感覚へと導かれていく。
重要なのは、視線の正しさではなく、感覚の正直さである。
クローズアップを多用した撮影は、身体と身体の間に漂う空気や、目線の交わりに宿る脆さを浮かび上がらせる。
ライティングは極限まで絞られ、肌の起伏や息遣いを静かに照らし出す。
影はそのまま、欲望の余白となる。
『GANGBANG』は、誰かの性的な存在そのものをセンシュアルな美として肯定する視覚詩である。
それはポリティカルでもあり、同時にきわめてパーソナル。
「見せる」ことと「感じさせる」ことのギリギリを漂うことで、この作品は、私たちが“つながる”ということの意味を、もう一度問いかけている。