Experience
MARQUEE BEACH CLUB – Royal Blue – 映像演出
2024
01:15:30
2024年11月16日に水戸市民会館で行われた、バンド MARQUEE BEACH CLUB の10周年ライブ Royal Blue にて、全編にわたって映像演出をしました。
アーティストと対話を重ねながら、15の楽曲を自分なりに解釈し、映像におけるテーマをそれぞれ設けて、体験の流れを作っていきました。
私は以前より、音楽と対等な存在としてのビジュアル、「ビジュアルミュージック」を探求しています。
音楽を奏でるように、「映像を奏でる」ことはできないのか? といつも考えています。
このライブの映像演出は、その長年の探究の成果であり、一旦の集大成でもありました。
モーショングラフィックの制作は、openFrameworksというライブラリを使用したc++のコーディングで行い、After Effects など既存のソフトウェアを使用しませんでした。
そのため、全編がリアルタイムに実行可能なモーショングラフィックとなっています。
さらに一部では、一昨年よりプロダクトデザイナーの長谷川泰斗氏と共に独自に開発している「映像を奏でる楽器」を使用して、音楽に合わせてコントローラーを叩くことでモーションを作るという、ライブな手法で制作しました。
ビジュアルミュージックは、オスカー・フィッシンガーやジョン・ホイットニーなどの先人がフィルムの時代から探究を重ねてきた分野です。
彼らは、映像という技術を、抽象的なイメージを動かすことで音楽的なグルーヴを観るものに与える手段、として捉えていたのではないかと思います。
今回は、その文脈を現代のコンピューターとクリエイティブコーディングによりさらに推し進め、同時に、バウハウスに端を発する、構築的で構成的なグラフィックデザインの文化を、音楽ライブのビジュアルにおいて全面的に展開して時間と共にモーションさせる試みでもあります。
今後もこのビジュアルミュージックの探求を続け、映像技術を文化的な装置として使ってみたいと思います。