Experimental filmInstallationInteractive
Gazes
2023
5 台のワイドディスプレイと 3D センサーによって構成される映像インスタレーション作品。
ディスプレイには、ボリュメトリックキャプチャという技術で生成された作者の 3D モデルが映し出され、さまざまな方位に向けて眼差しを送り続ける。本作での映像のパースペクティブを構成する視錐台の頂点は、常にその眼差しの延長線上に配置するよう設定されているため、鑑賞者は常に動的なアナモルフォーシス(歪像)を体験することになる。ただし、鑑賞者の視点がトラッキングされ、その位置に 3D モデルが眼差しを向ける時、つまり鑑賞者と 3D モデルとが「視線を交わす」時にのみ、それぞれ向きの異なるディスプレイ平面に一つの統合的な空間が現前する。
15 世紀に発明された透視図法は、主体/客体という二元論的な世界の捉え方に強い影響力を持ち続けてきた。本作では、仮想空間の成立条件に眼差しの双方向性を設けることで、その境界や主従の関係を溶解するとともに、そこに生じる視覚体験は、次元の併存する現在のリアリティの在り方を提示する。