昭和の時代のレトロ感のまま未来になった世界を表現する為にローポリとGIを組み合わせた表現となりました。レトロ感のあるSEや音源と相性も良く、ローポリ制作の背景には制作期間を大幅にシュリンクするという目的もありましたが結果的には限られた時間内で楽曲やアーティストの世界観を引き出せたのでは無いかと思います。

yesworldでは「ドライバー」などビジュアルに直結する言葉の他に「お前」や「僕を返して」といった表現が使われています。歌詞について詳しく打合せはしませんでしたが、その「お前」を人間が抗えない大きな流れや不条理の擬人化された姿だととらえて作品を作り始めました。人生には自分の力が及ばばない事が多くあり、皆少なからず大切なものを失ってしまいます。そういった人間を取り巻く圧倒的な不条理＝悪夢的な世界、そしてその中にあって失う事のないある種の人間の輝きのようなもの。それらが入り混じったカオスな楽曲の世界観を表現する為に、カットの印象のジャンプ率やLOOP感、悪夢感などを意識しました。

写真で使われる二重露光の表現などを用いてバンドが持つ幻想的な空気感と ありえたかも知れない別の世界を描きました。茨城があんなにきれいな場所が沢山あるなんて驚きました。

歌詞も楽曲もSF的な要素が強かったので、自分なりのSF設定をMVにしました。 羽根をモチーフにした宇宙船と、デイ撮影でしたがカラコレで昼でも夜でもない終末感を出せたのが良かったです。 MVの中にモールス信号を使っているので、歌詞のモーションもそれをイメージしています。