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双生する音楽会
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双生する音楽会

2020
00:03:31
「テクノロジーでオーケストラを再構築する」をテーマに、2018年から始動した「落合陽一×日本フィルプロジェクト」。WOWは今年も「映像の奏者」として、「__する音楽会」もとい「双生する音楽会」に参加した。 オーケストラの新たな魅力と価値が体験できる場を試みてきた過去2年に対し、今年はコロナ禍におけるオーケストラのあり方を模索。制限を設けつつも観客を入れた劇場公演に加え、オンライン配信も行い、二つの視点で新しい魅力を体験できる公演を目指した。劇場公演では、空間に多角的に響き渡る時代を切り開いた革新的な音楽とプロジェクターに投影される映像奏者を、オンライン配信では業界最高水準の音質(AAC-LC384kbps)、AR映像を含む2K画質によるコンサートの臨場感、デジタルだからこそ実現できた立体感のある演出を試みた。 本公演の視覚体験は、オンライン配信のAR映像を軸とし、劇場のスクリーンにはAR映像に同調・呼応・相反した映像が展開。それぞれ異なるが優劣のない体験価値を提供した。また、劇場公演の鑑賞者が後日再配信されたオンライン公演も鑑賞することで、公演の追体験を異なる視点で楽しめる相乗効果を図った。楽曲を紐解いていく中で見出したヒントを視覚化する上で、既存のARらしさやステージ上の映像演出らしさにとらわれず、「映像の奏者」として二つの異なる視点で音楽の世界観に寄り添う視覚効果を狙い、それぞれに新たな価値を見出してもらえるよう努めた。 公演前まで用いていたタイトル「__する音楽会」には、当初計画していた音楽会が新型コロナウイルスによって白紙となった様子、そしてそこから新しい演奏会を模索し、試行錯誤する様子を込め、鑑賞者それぞれがタイトルの空白に入る言葉に考えを巡らせるようにしていた。公演終了間際、「__」にあたる言葉が公開され、「双生する音楽会」として、コロナ禍における音楽会のあり方を模索した音楽会が新たに誕生した。
Fragments
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Fragments

2019
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ 結びて、久しくとゞまりたるためしなし。 世中(よのなか)にある人と栖(すみか)と、又かくのごとし・・・」 書家 木下真理子氏が選んで揮毫した鴨長明の『方丈記』の一節を、木下氏自身が正方形のピースに書を分断。 その分断されたセルをもとに、映像作家の山本信一が時間軸を与え、さらに音楽家 Corey Fuller氏が『方丈記』の言葉を分解・再構築したサウンドによって構成された映像作品。 映像制作の方法では、山本がしばしば用いる方法で、分断された文字をランダムに時間をずらしながら配置する仕組み(方程式)をつくり、そこへセルの素材を代入していき、得られる予期せぬ偶発的なパターンにインスパイアされ、再びそれらをフィードバックしたり、コマ単位で編集したりして時間軸を与えていく。 今回は音楽の手法でも、ピアノなどの楽器の他に、木下氏が『方丈記』を朗読している素材をレコーディングして、分解し、音源として使用するという試みをしている。 木下氏が書の活動でコンセプトにしている空や縁起の感覚、Corey Fuller氏が取り組んでいるアンビエントの織りなす豊かな静寂、山本信一が作品で目指している風景を眺めるときのメタ的な視点、それぞれのアーティストのもつ世界観を『方丈記』を交点にしてコラボレーション。 常に“うつりかわるもの“を眺めながらも感じる”普遍的なもの“がテーマになっている。 新宿クリエイターズ・フェスタで、新宿の4つの屋外ビジョンで展開された後、文化庁『メディア芸術×文化資源 分散型ミュージアム』の一環で、イマーシブインスタレーションのバージョンを羽田空港で展開するなど、継続的なコラボレーションプロジェクトとして発展している。

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