映像作家100人2025

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ほしのたね(2025 アジアデジタルアート大賞展 FUKUOKA 入賞作品)
3DCGAnimationCGMusic video

ほしのたね(2025 アジアデジタルアート大賞展 FUKUOKA 入賞作品)

2025
00:02:17
「ほしのたね」 ある日、娘が何気なく口にしたこの言葉が、私の中にそっと種を蒔きました。 その響きのやさしさと、どこか詩のような余韻に導かれ、私は静かな森に舞い降りる星や、小さな生き物たちの暮らす風景を思い描くようになりました。 物語は、夜空から星がふわりと森に降り注ぐところから始まります。星たちは地上でちいさな種となり、やがて芽吹いて、「星の花」を咲かせていきます。森に住む生き物たちは、そっと寄り添いながら音楽を奏で、その花々を見守ります。夜の森に広がる光や音、ゆっくりと流れる空気──そんな静かであたたかな世界を描きました。 映像制作には、長年使い続けているBlenderを使用しています。森や星、花や小さな生き物など、私の好きな自然の要素を素朴なタッチで表現し、光や影、質感にこだわることで、現実と空想のあいだを漂うような風景に仕上げました。音楽と映像は、ぴったりと揃えるのではなく、おたがいに寄り添いながら静かに響き合うような関係を目指しました。 音楽は、以前から共に作品を作ってきた音楽家・cokiyuさんにお願いしました。 本作では、夜の森にふさわしい、繊細なピアノの旋律に加え、透明感のある歌声が優しく重なります。 歌詞にはこの物語のテーマが込められており、その言葉ひとつひとつが、まるで語りかけるように静かに響きます。声の存在が、映像の奥行きをそっと深め、光や時間、そして「ほしのたね」が持つ世界観を、より豊かに伝えてくれています。 「ほしのたね」が観る人の心にもそっと芽生え、そこから自由な想像や感覚がやさしく広がっていく── そんな体験を届けられたら、うれしく思います。
Royal Blue – 映像演出
CodingExperienceLive actionMotion graphicsMusic videoMusic Visualization

Royal Blue – 映像演出

2024
00:02:58
茨城県出身のバンド MARQUEE BEACH CLUB の10周年ライブ「Royal Blue」にて、70分のライブ全編に渡って映像演出をした。 ライブはバンドの地元、水戸市民会館のホールにて開催された。 私は以前より、音楽と対等な存在としてのビジュアル「ビジュアルミュージック」を探求しています。 音楽を奏でるように「映像を奏でる」ことはできないのか? とよく考えています。 このライブは数年にわたる探究の成果であり、一旦の集大成でした。 映像の制作は、私が「DTV(デスクトップビジュアル)」と呼ぶやり方で行いました。これは「DTM(デスクトップミュージック)」に触発された考え方で、PC1台でライトにビジュアル制作を行うことを指します。 今回はまず、c++のコーディングをして、ビジュアルにおけるシンセサイザーやリズムマシンのような簡易ソフトウェアを大量に自作し、音楽を聴きながらPCのキーボードを叩いて「ビジュアルを演奏」しました。 (これは昨年よりプロダクトデザイナーの長谷川泰斗氏と共に進めている「映像を奏でる楽器」開発の一環でもありました。) そして、それらの演奏の画面録画をAfter Effectsに配置して編集しました。これは、After EffectsをAbleton LiveのようなDAWとして用いる感覚です。 After Effectsはただのエディターであり、モーショングラフィック自体の制作は全てコーディングで行なっているため、結果的にほぼ全編がリアルタイムに実行可能な映像で構成されることとなりました。これにより映像が帯びる生感、ライブ感はお客さんにも伝わるのではないかと考えています。 ビジュアルミュージックは、オスカー・フィッシンガーやジョン・ホイットニーなどの先人がフィルムの時代から探究を重ねてきた分野です。 彼らは映像という技術を、抽象的なイメージを動かすことで音楽のようなグルーヴ体験を作り出せるもの、と捉えていたのではないかと思います。 今回は、その文脈を現代のコンピューターとクリエイティブコーディングによりさらに推し進め、同時に、バウハウスに端を発する構築的で構成的なグラフィックデザインを、音楽ライブにおいて全面的に展開してモーションさせる試みでもありました。 今後もこのビジュアルミュージックの探求を続け、映像技術を文化的な装置として使えたらいいなと思います。 そして、この映像を受け入れてくれたMARQUEE BEACH CLUBに感謝します。

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