映像作家100人2023

※並び順はランダムです

境界の泉
3DCGCGPerformanceVRXR

境界の泉

2022
00:23:40
JACKSON kakiはバーチャルリアリティー/メタバースと芸術についての作品制作を行う。本展示では、バーチャルリアリティーの時代における死体の考察をするべく、VRChatを用いたパフォーマンスを行い、その記録映像を作品として発表する。 メタバースは、多くの人がイメージできるほど、一般的な言葉となった。理想郷のように取り扱われるビジネス的・ツール的なメタバースを、JACKSON kakiは批評的に観察し、物理空間における身体・空間・社会・文化と結び付けて表現に取り組む。本作品は現象としての「死体」について着目した。 メタバースではアバターを用いて身体表現を行うことが可能となり、テキストや画像・動画の交換によって成立するSNSとは異なり、より没入的な体験や、現実とは異なるオルタナティブな人間関係を築くことができるようになった。アバターが用いられる空間において、死体はどのように人間に意識され、取り扱われるのかに疑問をもち、今作の出発点となった。 現在公開されている多くのメタバースにおいて、死体の「描画」または「プログラミング」は用意されていない。そのような状態を、死体に対する意識、及び認識が形成されていない(ある意味では退化した)文化と解釈し、芸術による考察と表現の実践として、この作品に取り組んだ。 その手段として、神話や神によって社会が形成された、かつての文明を引用し、現代のメタバースと関連付けた「物語」を創作する。そして、その物語に基づいた、死体を取り扱う「儀式」を構築し、その儀式を実演し、記録する。 メタバース空間でのパフォーマンスにおける身体と、死体の「取り扱い」を通して、私たちはバーチャルリアリティー時代において、死体をどのように意識し、認識するのかを問いかける。
柴田聡子「雑感」
Music videoMV

柴田聡子「雑感」

2022
00:05:02
アーティストコレクティブのヨフが作品制作において重視してきた「虚実を横断させる視覚経験」を、映像制作工程(映像撮影→ポストプロダクション)へ適応させる方法論を探りながら、アイディアを練っていきました。実際には、ワンカットロングショットによる撮影と、ポスプロでの時間軸の操作により制作しています。 ワンカットの撮影ではサビの間、紙吹雪が舞い落ちる中、柴田聡子さんだけピタッと静止し続けることが、このMVのアイディア実現の条件へつながっています。ポスプロにて部分ごとに細かな時間軸の操作を施すことで、静止する柴田さんに変化はなくとも、周囲でパラパラと落下していた紙吹雪だけが、逆行したり、画面の中心に吸い込まれるような動きや、極度に圧縮されノイズのように変質するなど、様々な振る舞いが作り出されます。このような静と動の対比によるリアリティの歪みを演出のベースとしました。 さらに中盤では、柴田さんの画角を固定したままカメラを動かすことで、背景までもグニャりと歪ませ、キラキラと舞い落ちる紙片が曲の展開と相まり、どこか銀河の果てのような非現実的な世界観を醸し出す印象的なシーンとなっています。

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