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SHIBUYA STREAM
2018
00:01:33
作品について
2018年9月13日に開業した渋谷ストリームは、利用されなくなった旧東急東横線渋谷駅のホ―ムと線路跡地およびその周辺敷地に誕生した大規模複合施設。ここでの体験・交流・挑戦から生まれる新しいモノ・コトを世界に発信し、「クリエイティブワーカーの聖地」として新たな次代の「流れ」を生み出す事をコンセプトにプロジェクトがスタート。
渋谷における新たな文化創造と、渋谷駅南側エリアの活性を図る本プロジェクトでは、「クリエイティブピープル」をターゲットにし、彼らにとって日常的にインスピレーションが生まれる場を目的としている。WOWは、渋谷駅から直結する100mに及ぶ2階貫通通路入口に設置された巨大映像壁面、明治通り方面へとつながる大階段の環境演出と体験設計を担当。
演出意図
官民連携により渋谷川の再生も行い、渋谷駅南側エリアのアイコンとなる本施設は、クリエイティブやトレンドを押し付けないように配慮。2階貫通通路では、外の雑音を緩和する「緩やかな結界」を音響環境によって生み出し、その環境下で現象的なビジュアルが作り出す擬似的自然環境が、日常的に生活する人々と立ち寄る人々の内的想像性を引き出す事を目指している。
全体演出のコンセプトを「INNER STREAM」と呼び、3つの環境演出を担当。
1. Invisible Stream | 渋谷ストリーム2階玄関口に設置された巨大映像壁面
クリテイティブワーカーの「発想」から、最終的なフィニッシュまでの思考プロセスを流れ=Invisible Streamとしてビジュアライズ。「Stream」をテーマに、水、川、霧、光など現象的なモチーフを映像化したフィニッシュワークと、CGとプログラム表現における様々なスタディプロセスも一緒に展示する事で、鑑賞者自身の想像力と結びつき、一人一人が違うビジュアル体験をする事が可能となる体験設計を目指した。
2. Fall Stream | 明治通り方面へとつながる映像装置が仕込まれた階段空間
音の渦から音が大階段になだれ込む様な映像演出。滝や水など現象的なモチーフを用いる事で、渋谷川との一体性と訪れる人たちにとって安らげる空間体験を目指した。
3. Barrier Stream | 2階貫通通路及び大階段空間の音響環境
音響環境は、「Sound Architecture」という概念を持つ音楽家、サウンドアーティストのevala [See by Your Ears]とのコラボレーションにより実現した。コンセプトは、吹き抜ける風が印象的な渋谷ストリームの空間。電車やクルマなどの外の音も聞こえるこの場所と調和するサウンドを考案した。渋谷川でフィールドレコーディングした水の音も随所に混ぜ、風が吹くと木々が揺れ、波立つような自然現象のごとく、常に新しい旋律が生成され続け、二度と同じ音は聞こえないプログラムを設計。連結動線に配置されたスピーカーを活用し、都市のノイズを遮断し、内的創造性を高める環境を実現した。