Experimental filmInstallation
Waves Etude
2020
00:08:03
”波”の風景をモチーフに撮影した映像データに対して時間(フレーム)と空間(画面の縦、横)の変換により再構築された映像作品群です。
2020年より、変換アルゴリズムや撮影手法を更新しながら時空間の知覚を映像メディア通して考察していく持続的なプロジェクトでもあります。
作品の映像には風景に存在する様々な循環的な差異が、テクスチャーとして現れます。これらは自然に新しい視点をもたらし、私たちの空間や時間に対する知覚の在り方を現前化させます。例えば、岩のような静止した物体は、時間軸が横軸に置き換わった状態ではスケール感が消失し画面を横断するフラットな色彩の帯として現れます。一方、刻々と変化する海面は変形しながらも波形を保っています。これは波が時空間次元に対してある種の対称性を持つためです。このように映り込む人、物、波はそれぞれ異なるリズムとベクトルを持ち、色や質感の動きとして画面上に現れます。この映像作品群はそのような自然の隠されたリズムを見つけようとする作家のプラクティスの痕跡でもあります。