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あつまるな!やまひょうと森
3DCG, Art work, CG, Performance

あつまるな!やまひょうと森

今作は、「あつまれ!どうぶつの森」という、コロナ 禍において大ヒットした、家庭用ゲームを参照して制作した、「あつまるな!やまひょうと森」というゲーム・パフォーマンス作品です。
この作品の制作に至った背景にまず世の中がコロナ禍になり、美術館にお客さんを呼ぶことができないという背景があります。不要不急の外出を禁止された私たちはパソコンのウインドウ越しのコミュニケーションが定着し、あらゆる活動が一つの画面に集約されてしまった状況に私は強いフラストレーションを感じました。画面の奥に人間がいると想像することが難しくなり、仮想空間に支配されていく現実を観て恐怖感を覚えました。そういった感情から生まれた作品が「あつまるな!やまひょうと森」という作品です。

体験者はどうぶつの森に分したゲーム画面を通して、キャラクター(やまひょうくん)を操作します。それは結果的に展示空間でパフォーマンスしている私自身を操作することになります。自身のスマホやパソコンからゲームへと進み、どこからでもアクセスできますが、私とゲームのキャラクターは一心同体であるため、私が展示会場にいる時しかゲームプレイはできません。また私は一人しか現実世界に存在しないため、ゲームのキャラクターも一人しか存在しません。体験者は一人のキャラクターと一人の人間を別々の画面越しに共有し、操作することになります。

ゲーム画面だけを観ている鑑賞者にはこの作品はとても優しいものに映るでしょう。楽しげな音楽や可愛らしいキャラクターデザインで装っているためです。しかし現実の展示空間に来ることで作品の状況は一転します。私は無表情で淡々と鑑賞者から送られてくるコマンドに対して反応し続けているからです。展示会場ではただ"ピッ"というビープ音が私が行動する度に鳴り響いています。これはRFIDを読み込んだ時の音です。私はオブジェクトを認識する時、各座標を決定する時、何かのアクションを行う時全て固有のRFIDを認識することでゲームに信号を送ります。この"ピッ"という音は私たちが普段電車の改札を通る時になる音です。これは管理社会におかれてる我々の身体を示唆しています。それを誇張するように私はロボットのように4時間もの間動き続けています。しかしながら私がこの作品で描きたいと思ったことは単に現実社会における主従関係ではありません。パフォーマンスは前述通り、ロボットのように淡々としたものに映るかもしれませんが、私は体験者のコマンドを自身の判断で断ることができます。体験者から送られてくるコマンドには服を脱ぐであったり、息を一定時間止めるなど、身体に負荷をかけるものがありますが、私が行いたくない時は実行しないという返事を返すことができるのです。これは私専用に作られた返信アプリを介してリアルタイムに体験者に送信されます。これはとても高度なAIです。私という存在そのものが決定しているからです。そこにルールやシミュレーションは存在しません。
あらゆるゲーム体験は“暴力性”と結びつき、人間の欲望を刺激します。可愛いキャラクターが動く喜びや親しみと言った感情と並行して私自身のパフォーマンスから滲み出る不気味さや残酷さと言った感情を全て呼び出すことで、人間の欲望を映し出せると考えました。
今作はゲーム空間と現実空間の差異を描くだけではなく、画面の向こうから私の実存として反逆があります。加速していくテクノロジーに対してただ受動的になるのではなく、人間の知性に主導権があることを絶えず忘れてはいけません。

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