3DCGAnimationCGMusic video
ほしのたね
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「ほしのたね」。ある日、娘が何気なく口にしたこの言葉が、私の中に静かに種を蒔きました。その響きが持つ詩的な余韻に導かれ、星と森、音楽と生命が交わる幻想的な世界を映像として描きました。
物語は、夜空からいくつもの星が森へと降り注ぐところから始まります。それらの星は地上で種となり、やがて芽吹き、様々な「星の花」が咲いていきます。森に生きる小さな生き物たちは、音楽を奏でながらその花を見守り、静かに寄り添います。夜の森の奥深く、「星の花々」は光をまといながら開き、そこに流れる時間や空気が、音楽とともに穏やかに満ちていく——そんな世界を描きました。
映像制作には、長年愛用しているBlenderを使用しました。森、夜空、星、花、木、生き物といった、私が愛する自然の要素をCGで表現し、光や影、質感のディテールにこだわることで、幻想的でありながらもどこか現実に根ざした世界観を生み出しました。音楽と映像は、厳密にシンクロさせるのではなく、ゆるやかに調和する形を意識し、映像のリズムや光の移ろいが音と響き合うような構成としています。
音楽は、以前から共に作品を作ってきた音楽家であり、私がリスペクトするcokiyuさんに制作を依頼しました。本作では、夜の森の神秘的な世界観を伝えるため、ピアノをベースにした繊細な楽曲を制作していただきました。映像と音が呼応しながら、観る人が物語の世界にゆっくりと引き込まれるような仕上がりを目指しました。
本作を通じて、観る人の心の中にも「ほしのたね」がそっと蒔かれ、そこから自由な想像や感覚が芽吹いていく——そんな体験を届けられたらと思います。