Interview with Watanabe Saori

  1. あなたが働いている場所は、どんな場所ですか?
    撮影はいつも使わせていただいている渋谷のコマ撮りスタジオで、シナリオを考えたりコンテを書いたりの思考の時間は自宅で作業を行っています。
    朝日がバーン!と入ってくる日差しハウスです。
  2. 映像制作の現場に携わる前に、どのように、何を学びましたか?
    地元の福島西高等学校(デザイン科学科)CGコースで映像の基本を学びました。学校の課題や自主制作を作りながらコンペに出したりして先生やキュレーターの方から助言を頂いたり、チェコやロシア、日本のコマ撮りアニメーション、映像に関する本を図書館で取り寄せて独学で学んでいきました。

    大学は札幌市立大学(デザイン学部)に行きました。2年生のとき、講演会で札幌にいらしていた監督の合田経郎さん、コマ撮りの巨匠・峰岸裕和アニメーターに出会い、何度か現場で学ぶ機会をいただきました。

    卒業後は東京でフリーで活動されている稲積君将アニメーターに師事。アシスタントとして場数と経験を積ませていただき、今に至ります。

    並行して都内のボイトレ教室に1年通っていました。
    CMソングなどの短めの楽曲の作詞作曲、歌唱やナレーションお仕事も(たまに)しています。

    監督とアニメーター、たまに歌う映像作家です。
    よろしくお願いします!
  3. 映像制作で普段のあなたの役割は?もしよければその内容についても教えてください。
    監督とデザインに徹する形が多いんですが、コマ撮りアニメーター、美術造形、歌唱、ナレーションも、必要あらば自分で動きます。

    ここ数年は、それぞれプロの方にお願いして一緒に作っていく事が圧倒的に増えました。
    その方がやっぱり広がりますしね、いろいろ。
  4. 映像制作の仕事の魅力は何だと思いますか?
    同じ状況が起きないこと。
    毎回違う状況のなかで最善を探してゴールを目指す険しい道のりや、脳がビキビキ音を立てて成長していく感じが楽しいです(都度必死ですけどね)。

    クライアントさんの希望を100%以上応えながら、
    自分の表現したいことも同じくらいきちんと盛り込めるのが楽しいし難しい、から楽しい。
  5. 作品作りにおいてどのような部分に力点を置いていますか?
    どれだけ観た人の心に届けられるか、心を射抜けるか。
    自分が感動できるか。
    ちゃんと”ひとり”に届けたいという気持ちを持って作ること。
    力点というより、私が映像表現をする理由の部分でもあります。

    そのあとは作品が自分で、必要な人に会いに行って各々育っていくものと思います。
  6. 論理と直感どちらを信じますか?その理由はなんですか?
    直感です。
    悩んで上手くいった試しがありません(笑)。
    直感は大切。生物的なそれ。
  7. あなたの好きな世界観はどのようなものですか?またそれをどのように作りこんでいきますか?
    世界観とはまた違うかもしれませんが、なるべく最小単位の世界を最大限に描くというやり方や描き方が好きみたいです。
    フォーカスを一人の人物のあの時期の出来事に絞る、という具合に。

    個人の記憶って最小だけど最強だと思うんですよね。
    そこに光をちゃんと当てるだけで十分だったりすると思っています。
    毎日周りをよく見て暮らし、いろんなシーンのいろんな気持ちを見つけようとしています。
  8. あなたに影響を与えたものを教えてください。人でも作品でも。
    友人たちがくれた沢山の眩しい気持ちと、そうではなかった人からの冷たい気持ち。

    どちらも持っていてよかったと、今では思います。
  9. あなたの会社はどんな会社ですか?大切にしているモットーはありますか?
    モットーは『今日を精一杯』、
    そして師匠からもらった『自分の願いを叶えて!』という言葉。

    過去にですね、謎の容態になって死にかけまして(今はもうとても健康体です)、そのタイミングで大切な人を突然失いました。

    それからは「あぁ、このまんまのリズムで生きてたらきっと後悔しちゃう。せっかく生きてるのに勿体ないぞこれ。変えないと。」と思うようになりました。
    それが全ての選択に繋がってます。
  10. チーム作りの秘訣はなんですか?
    チームの皆さんへの敬意と感謝をちゃんと言葉で伝えること。
    態度で示すこと。
    愛せる作品を作ること。
    段取りは愛。
  11. どんなタイプの人、あるいはモノに共感しますか?
    在るのに無いように見えてしまうもの。
    動かないモノの仕草。
    全ての生物の、赤ちゃんの生命力。
  12. 今回掲載の作品について、テーマやコンセプトなど詳細を教えていてただけますか?
    TVアニメ「進撃の巨人」Season 3 Part.1のエンディングテーマとして制作された、Linked Horizonの楽曲『暁の鎮魂歌』のMVです。

    進撃の巨人のファンの方にも、Linked Horizonのファンの方にも、何も知らずに観ていただいてもお楽しみ頂けるよう、更に楽曲の持つ力を引き出せるよう、キャラクター、背景、アクションなど登場するモチーフ全てに強いメッセージを込め、独特の世界観を作り上げました。
    また、映像を盛り上げる効果音(SE)にも、Revoさん、そしてSEを担当された恵比須弘和さんによるこだわりが散りばめられています。

    冒頭から現れる謎の白い生き物、その生き物の前に毎日現れる黒いコートの男の2人から、物語は静かに始まります。
    物語が進むにつれて徐々に見えてくる“真相”を、ご覧いただいた方それぞれの捉え方で受け止めていただけると幸いです。
    (映像は初回限定盤のBlu-ray特典のため、映像の内容に関するお話は控えさせていただきます。)
  13. 映像制作のプロセスで、魅力を感じる瞬間はどんなときですか?
    これは本当に不思議なんですけど、素晴らしいチームワークの中で生まれた作品は、制作中に100%奇跡が起きます。
    しかも1〜2回じゃなく、4〜5回。
    奇跡なのか運命なのか必然なのか分からなくなる程、誰か仕込んだんじゃないかと笑えるくらい続きます。

    制作中に色々大変だったりすることもあるんですけど、これが数回続いて「大丈夫だよ」の合図が出ると”良さ"がどんどん加速します。
    魅力というか、もう奇跡です(笑)

    コントロールできないものが動いている感じ。
    それに守られている感じ。
  14. 自分の代表作をひとつあげるとしたらなんですか?

    『Papercraft Movie The History of IDEMITSU』(2016)

    「The History of IDEMITSU 1911-1945」と「The History of IDEMITSU 1945-2017」が完成する1年前に制作した、この2本の元々の映像作品です。

    そしてひとつと言われているのにもうひとつ挙げてしまうと、大学の卒業制作で制作した12分のコマ撮りアニメ『Knoflik〜小さい大きな贈りもの〜』です。
    わたしの真ん中の感情が詰まっています。

  15. この一年で観てよかった作品は?

    そもそもあんまり観れていないんですが、

    『うしおととら』
    年始早々風邪を引いちゃったので、人からオススメされてアニメを全話一気に見ました。
    見終わった後衝撃がいっぱいで動けなくなりました。素晴らしかったです。

    『パンとスープとネコ日和』
    こちらも風邪を引いた時に一気に観ました。
    実は将来(60歳を過ぎたあたりから)サンドイッチとスープの小さなお店を開きたいと思っていまして。
    ドンピシャでした。とっても参考になりました。

  16. 最近お気に入りの余暇の過ごし方は?
    行ったことない所に一人でポンッと行って、散歩して珈琲飲んで帰ってくる遊びをよくします。

    最近は綺麗でオシャレなドミトリーがいっぱいで嬉しいです。
    電車を乗り継ぎペニー(スケボーみたいなちっちゃい乗り物)でスイーッと出掛けます。ハッピー。
  17. 今後、挑戦してみたいことはなんですか?
    海外でお仕事してみたいです!
    一昨年パスポートを取ってから海外の魅力に目覚めました。
    お待ちしております!!