Interview with Kenji Hirano

  1. 映像はどんなふうに学びましたか?

    大学では建築を学びデジタルハリウッドでちょこっと3DCGを学びました。映像制作自体はキチンと学んだ事がなく、最初に入った会社が印刷関連の機械メーカーだったんですがそこで社長に「商品機械のビデオマニュアルを作れ」とSONYのDVカメラVX-1000を渡されたのが動画を撮るきっかけですね。そこから人に聞いたりAppleやSONYのセミナーに参加したりしながら撮影とAfterEffectsを独学で学びました。その後も映像プロダクションなどに入る事も無く独学です。なのでいまだに足りないところが多いです。

  2. 自分の得意とする表現のスタイルは何ですか?

    セリフの無いストーリーテリングです。
    絵本のページをめくっていくような。

  3. 仕事場はどんな場所ですか?

    古い一軒家をセルフリノベーションした浅草にある妻のカフェ coffee and tea room CHOCOLATE JESUS の裏で仕事をしています。
    今はセットや小道具をつくる木工の作業場って感じですが編集やデスクワークのできるスペースも現在リノベーション中です。

  4. ひとりで仕事をするのが好きですか?誰かと仕事をするのが好きですか?

    ひとりで煮詰める工程も嫌いではありませんがそれをみんなでカタチにする、撮影仕事が大好きです。

  5. もっともインスピレーションを受けるものは何ですか?

    絵画からインスパイアされてアイデアやストーリーを発想する事が多いです。そこに日常で感じるアイロニーを混ぜ合わせます。

  6. 今回提供いただいた作品についてコンセプトがありましたら教えてください。

    タイトルのレプス・コルヌトゥスとは17世紀頃の西洋の文献や絵画に登場する角の生えたウサギの事です。ウサギというカワイイの象徴的動物に男性性や攻撃性をイメージする角が生えているという一種の違和感や矛盾が、ヘルマフ・アンド・ロディタスというファッションブランドのカワイイとカッコイイを同時に持ち合わせるというコンセプトにピッタリだと考えファッションフィルムとしてストーリーを考えました。

  7. 提供していただいた映像について、テクニカルな部分について解説していただけますか?

    合成やCGも特に無く、SONY FS7やCANON 1DXにCANONのシネプライムレンズを付けてQuicktime ProresHQにて収録、premiereで編集、ダビンチでカラーグレーディングしています。特にこれといってテクニカルな事はありません。ちなみにセットも自分たちでデザイン、施工しています。これが一番テクニカルかもしれません。

  8. 尊敬しているクリエイターはいますか?それは誰ですか?

    あえて1人だけ挙げるとしたらパリのアーティスト、ナタリー・レテです。彼女の作品を産み続けるパワフルさとスピリッツと繊細な感性と残酷なユーモア。とくに色に関しては影響を受けています。個人的な親交もありかなり励まされている心の師匠です。

  9. 自分の代表作をひとつあげるとしたらなんですか?

    2015年制作の「Je Te Veux」です。
    ルーマニアのトランシルバニア短編映画祭でベストファッションフィルムを受賞しましたし、世界中のファッションフィルムフェス、短編映画祭で上映されました。
    そして何よりファッションフィルムの最高峰、SHOWstudioのファッションフィルムアワードでファイナリストに選ばれ、ロンドンでの上映と受賞式に参加したのが嬉しかったです。

  10. お気に入りの映画は?

    邦画ベスト3は小津安二郎「東京物語」、西川美和「蛇イチゴ」、吉田大八「桐島、部活やめるってよ」
    洋画ではジムシャームッシュ「ストレンジャーザンパラダイス」、デビッドリンチ「マルホランドドライブ」ポールトーマスアンダーソン「マグノリア」

  11. 表現において、重要視している要素はなんですか?

    リズムです。EDMのように機械的で流暢なものではなくローリングストーンズのように止まっちゃいそうなリズム感や間のとり方を大事にしています。カットとカットのつなぎもスムーズさよりも衝突を重視する事が多いです。
    もうひとつはシャレやハズしといったファッションの考え方を脚本や美術、編集に取り入れているのも私の重要な要素です。

  12. 最近した仕事について教えてください。

    1月にディレクター&ビデオグラファーとして参加したNOWNESS Chinaの「秀色可餐」というシリーズでモデルの松岡モナさんを丸一日連れ回し浅草で撮影しました。アジア圏向けで東京観光の食に関する情報提供が趣旨なのですが衣装は全てシャネルのファッションエディトリアルでもあります。
    モナさんの語る自身の生い立ちのストーリーに絡めた演出半分ドキュメンタリー要素半分の短編作品です。現在ディレクターズカット版を編集中ですので出来上がったらまた公開いたします。

  13. お気に入りの居場所はありますか?

    夜の浅草寺と仲見世。ほとんど誰も居ないけどうっすらライトアップされてる23時以降が気持ち良いです。

  14. お気に入りの映像作品について教えてください。

    Justin Andersonの「Twin Parallel」です。
    これを初めて見たときに、よし!これからはファッションフィルムだ!と決意した作品で今でも大好きです。